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ゆうすけブログ
低欲望とは何か
早朝から大津市北部旧志賀町に用事があり家を出ました。
お昼には用件が終わり、書店を覗くと大前研一氏がこの春に出版した(氏は多作である)、「低欲望社会」小学館刊¥1500+税に興味をそそられ購入して家に戻り読み出しました。

大前氏の著書を頭から終わりまで読み通したのは初めてで確か前世期に出て爆発的に売れた「企業参謀」も買ったものの当時の私の生活次元とマッチせず、途中で投げ出したのを憶えています。
今、私も50才の大台に乗ってきて少々枯れてきましたから、大前氏の分析する「日本中が低欲望現象に陥っている」という主張にはうなづけるところも多くありました。
「草食系男子」などとマスコミから言われている昨今の若者たち。
車どころかこの超低金利時代に昔ならあこがれのマイホームも建てようとせず、ひたすら人生のリスクを受け持つことを嫌い、ローンすら拒否する(結婚も)。
富裕層である高齢者層もぐんぐん長生きできるものだから貯蓄と人生設計の一致点が見いだせず、つまりどこまで自分の為のお金が要るのか計算できない上に政府の施策(年金・保険・医療)が信用できないから財布のひもは固いまま。
もちろん欲しいものは全部もっているので低欲望。
これでは経済成長も心理的に無理というのが氏の言わんとするところでもちろん氏なりの社会への処方箋も述べてありました。

私もこれは書いたら批判がくるだろうと思いながら書いてしまうのですが、つい数年前までは「今日の夕食はすき焼きがいいな」と思えばすき焼きを食べられる生活を送っていました。
今は違います。
人生の大どんでん返しが起って生活ステージが六本木ヒルズ住人の一歩手前からかなりのところまで落ち込んでいます。
ロート製薬提供の「アップダウンクイズ」でいう一番下まで。
すき焼きが良くても鯵の一夜干しが夕飯となります。
それもかなり美味しいと思いながら且つ満足しているのです。
テレビでグルメリポーターが血の滴りそうなステーキやとれとれの蟹料理を「美味しいですぅー」とか言って食べているのを見ても(ほーいいのぅ)と思うだけでそれが羨ましいとか悔しいとかの感情が湧きおこらないのです。

全くの余談ですが先のギリシャの国民投票もこの国のいにしえの哲人ディオゲネスの影響を垣間見ました。
樽の中で腰に布きれだけ巻き半裸の格好で思索にふけていた一風変わった哲学者ですが、現在のギリシャ人が労働や金銭について他のEu諸国とどう違ったメンタルを持っているのかが考察できます。
私も食べたいものも我慢して、行きたいところも行けず、やりたいことをできない現在の生活からもうワンステージ下がって一家離散や路上生活になればディオゲネス先生に近づけるのではないかと思っています。(おいおい)

日本国民の世論の趨勢は無駄を省き、もったいない精神で世直しという風潮が未だにありますが古今東西財政緊縮だけで立ち直った国家・国民は存在していません。
ギボン先生や塩野七生氏の著書も参考になります。
もっとタフな議論を起こしてもらいたいと思っています。


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