ゆうすけブログ
結婚ー「家」を出る女たち
結婚、あるいは婚姻制度についてある程度の立場のある人間がしゃべることはかなりのリスクがあります。
ジェンダー議論と絡み取られやすく、ひとつ間違えば世間の非難、指弾を一手にあびる恐れもあります。
ある意味、憲法議論や天皇制議論よりも人間性の内側まで入っていくので厄介です。
「ええ、結婚は自由だと思います、男女は平等ですからね、結婚しても女性も家庭内に入らず大いに社会参加をして家事や育児も夫婦で分担すべきだと思います、もちろん結婚しない自由もありです」
このように言っておけば波風はたちません、無難です。
またこれ以上、踏み込んだことを言うと地雷を一緒に踏みます。
のっけからふざけていると思われるでしょうが私はここ数年、猫の生態および社会をつぶさに観察してきて(一体、結婚とは何だろうか?)という人間社会に対する疑問が出てまいりました。
結婚は単なる制度です。
制度である以上、生物学的にまた物理的に自然とあるものではなく、人間が考え定めた「掟」に過ぎません。
猫は完全な女系家族または社会です。(完全すぎるほどです)
雄と雌はおそらく交尾の一瞬しか触れ合いません。
その後の出産・保育・育児・子猫へのしつけ・教育・親離れまですべて母猫が行います。
授乳はもちろん、子猫が離乳してもエサは母猫が取ってきます。
雄猫は何もしません。
すでに影も形もありません、他のメス猫を追いかけてどこかに行って自分の子どものことは一切振り返りません。
人間の男なら少なくとも食料を家に持って帰るぐらいの働きは要求されてきました。
この猫社会のようなことが人間界にでも起こったら世の女性は一斉蜂起することでしょう。
「責任を取れ!」と。
冒頭で申したように私は猫の社会を観て、よくメス猫たちは我慢しているな、これでよく猫という「種」が保全できてきたなと逆に感心するとともに人間が編み出した「結婚」という制度は女性を保護、あるいは安寧させるためのものだと思い至ったわけです。
他方、人類のそれなりに長い歴史の中では「家」の存在が女性の社会参加を妨げる、縛りつけるものと捉えられていた時代もあります。
夏目漱石からの明治の文豪たちから昭和の初期までにそのことをテーマにした文学作品は数多あります。
日本より人権意識が先行したヨーロッパにおいても例えば1879年にデンマークの作家・イプセンが書いた「人形の家」などは有名です。
主婦ノラは弁護士である夫・ヘンメルに愛されて何不自由ない生活を送っていました。
長くなりますから割愛しますがある事件をきっかけにノラは夫の愛がまさに愛玩具に対するようなもの、絶望的な悩みやまた喜びを分かち合えて「1人の人間」として自分を見てくれていないこと、ここはまさに「人形の家」と気づきノラは夫の制止を振り切って出て行くという筋書きです。
現在の日本でこの「家」のことが小説のモチーフに成り得るでしょうか。
「父に束縛される娘」、「夫や家族に自分を侵食される妻」・・古臭いと切って捨てられるだけです。
今なら「母子家庭」や「シングルマザー」が題材に取って代わります。
NHKの朝ドラ「とと姉ちゃん」は私も大好きで毎朝欠かさず観ていますがそれでも戦中、戦後と本当の意味で男がいなくなった、いなかった家庭の辛酸はあんなものではありませんでした。
現代においてもしかりです。
居酒屋で若い男たちがビールジョッキを片手に「一夫多妻制はいいな・・日本はなんでそうならないのだろう」と軽口を叩いているのを聞いたことがあります。
主にイスラム教国(一部モルモン教)では認められていて東南アジアからインド、中東からアフリカ大陸ではこの制度が現存しています。
ただ、酒場の男性が勘違いしているのは多くの妻に囲まれるということは多大な責任が発生しているということです。
それだけの家族を養う経済力の維持と日々の保護者としての労苦はその立場でないと理解できないでしょう。
私ならそんなお金があれば結婚をせず、ドバイのホテルに泊まって遊び暮らした方がよっぽどうらやましいと思いますが。
日本でも平成に入って社会環境が激変しました。
私がいつも批判する小泉政権の時に特にその流れが加速したように思えます。
いわゆる「ボーダレス社会」をめざし規制緩和という美名で自民党ではなく日本社会を「ぶっ潰した」わけです。
「痛みに耐える改革」とはいつまでも続く道でもありました。
よく考えてみると「介護保険制度」がなぜ世に出てきたかです。
自分の親を子が看れなくなった、その余裕がない・・なぜそうなったのでしょう。
その後の民主党政権も子育てについて「子どもは社会全体でみていくもの」と訴えて政権を獲りました。
親の面倒も子育てすら自分たちができなくなり制度というあやふやなものに頼らざるを得ない社会が現代の日本です。
その財源すら政治家は明確にしていません。
現在行われている東京都知事選挙でも争点は一応、「介護問題」「子育て支援」となっています。
全国でも今現在、54万人いるといわれている施設に入れず、もちろん家族の介護もないいわゆる「待機老人」は東京でも等比数級に増加していてこのままでは首都圏は巨大な「うばすて山」になると警鐘が鳴らされています。
「待機児童」ももちろんのことです。
「核家族化」や「少子化」などがこのような状況を生んできたという意見はこれまでも多々ありました。
もちろん現象だけを捉えればそうでしょう。
しかし、問題の解明には「なぜこのようになってきたか、これからどうすればいいか」の視点が必要です。
政府が提案する「女性活躍社会」の掛け声も実は危険です。
女性が積極的に社会に進出して活躍することに誰も異論ははさめません。
もちろん私だってそうです。
ですがそれならば今まで家庭内の誰かが果たしてきた子育てから介護に至る一連の営みを社会が本気になってみる覚悟と方策があるのかということです。
批判を恐れず言えば子育ても介護も「収入」を得られません。
逆に出て行くばかりです。
大家族制の時代では働き手である男が収入を持って帰り、家族がそれで生活をしていました。
生活と言っても食べることだけではありません、子育てや教育、介護もそれで賄ってきたのです。
社会全体の「生産性」が今より各段に高かった証拠です。
それがボーダレス社会の到来とともに男が家に持って帰る賃金は頭打ち、下手をすれば企業都合でリストラ、こんな社会を目指したのは小泉・竹中ラインからです。
それだからこそ「女性活躍社会」という甘い言葉には眉唾で対するべきなのです。
働き手が不足してきているから女性を社会に送るだけが目的ではないのかと。
TPPで海外から大量に外国人労働者を受け入れた後は知らんぷりを決め込むのではないかと。
そもそも「男女同権」なら女性の賃金も家庭を支えられるレベルとするべきではないのかと。
日本社会は今まさにダブルスタンダード(二重思考)に陥っています。
いえ、陥いらされています。
少子高齢化社会を危惧しながら他方ではみんなで社会参画を推進するなんて本当はありえないことなのです。
政治の方便であります。
女性を「家」に縛りつけるのではなく叩き出そうとしているのが社会だとしたら「育児放棄」や「介護問題」もすべて病原は政治にあります。
これを言うから嫌われるのだなあと反省して・・もうブログの更新もそろそろ辞めようと思っています。
[2016/07/21 09:38]
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